2014年04月29日(火) 

たまに目茶苦茶仕事のできる人に出会ったりすることがある。他人が束になっても数日はかかりそうな難問を、数時間でいとも簡単に解決してしまうような人物だ。別に彼だけが一日72時間与えられているわけでもない。彼のタイピングの腕がここ数十年間世界一を誇っているわけでもない。仕事のことで頭が一杯かと言えば、どちらかというと雑学の方が豊富だったりする。仕事一筋なんてタイプではなく、人一倍付き合いがいい。それでいて仕事ができる、スーパーマンのような存在だ。

彼にあって他人に欠けているものがあるとすると、それは「人脈」だろう。彼が「何」を知っているかは問題ではなく、彼が「誰」を知っているかが「人脈の豊かさ」という違いになって結果に現れているのである。「なぜ」彼だけが豊かな人脈を持つことができるのだろう。彼は「どのように」その人脈と創りあげているのだろう。自然な万民の興味へのひとつのヒントを、人的関係を研究する社会ネットワーク分析が与えてくれる。

自分が「つながっている」と自覚している人的つながりを「認知ネットワーク」といい、つながりは「紐帯(ちゅうたい)」と呼ばれる。この認知ネットワークの外には、自覚はしていないけどつながっている人たちがいて、これを含めた関係の領域が「パーソナルネットワーク」である。

「人脈」とは、認知ネットワークの中でも自分の意志で活用できる人材のこと。人類が直接ロケットを飛ばして着地させた太陽や月・火星・土星などを地球の人脈とすれば、接近させてさまざまな調査を行った惑星は認知ネットワーク。発見されているがまだ調査には至っていない太陽系の惑星や小惑星はパーソナルネットワークとあたると置き換えてもいい。もちろんネットワークは、その先どこまでも無限に続いている。しかし人間は、自分の視野内の人間関係しか、パーソナルネットワークとして捉えられない。

そうなら人脈を広げるためには、太陽系外まで探査機をどんどん飛ばしてパーソナルネットワークを拡大し、いけるところからバンバン着地させて認知ネットワークに組み込む。しかし、交流会で交換した名刺の数を競うような方法では、人脈が手に入るわけではないし豊かな人脈にも育たないように、数打てば当たるものでもない。

優れたネットワークとは人材の持つ能力の総和ではなく、豊かな情報源として、そして資本として機能するネットワークである。「学歴や技能は個人に宿るが、ソーシャルキャピタルは関係に宿る」(ジェームス・コールマン)、「弱い紐帯の強さ」(マーク・グラノベター)でも言及されているように、人脈の豊かさとは、一方的な認知ネットワークで接続された紐帯の数ではなく、その関係性の多様さであり自由さなのである。

閲覧数1,903 カテゴリ読み物 コメント2 投稿日時2014/04/29 07:35
公開範囲外部公開
コメント(2)
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  • 2014/04/29 18:59
    前の上司がまさに人脈で仕事する人でした。特に案件があるわけでもないのに、市町村の担当課に珈琲飲みに行ったり(私は運転手&かばん持ち)一見、遊びに行ってるのかと思わせるのですが、どっこい、大トラブルになったときは、この繋がりで乗り切ったことがありました。
     最近は、批判されることの多い職業ゆえ、先輩のようにとはいきませんが、できるだけ、見習いたいとは思ってます。
    次項有
  • 2014/04/30 05:40
    > モトナガさん

    リアルなフェイストゥフェイスにバーチャルなICTを補完的に組み合わせると、現代にマッチした人脈創造術ができそうですね。
    次項有
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