2014年03月14日(金) 
 数多くの社会の歪みが私たちの暮らしに影響を与えつつある今日、その原因のひとつに人の関係性が希薄化していることが挙げられています。『地域をはぐくむネットワーク』は、「少し前の時代まで、地域は助け合って生きる場でした。人が寄り合って地域に生きるための知恵もさまざまであったはずです」(岡田)という書き出しで始まっています。明治以前まで支え合いながらコミュニティを維持していく日本人の知恵が機能しなくなったのは、急速な西洋化の流れと、敗戦による価値観の変化、日本的なものや伝統的なもの一般の否定、そして科学技術の進歩によって社会の変化に伝統的な縁が即応しなくなったためなのでしょう。

 インターネットのサイト上で経歴などを公開しながら情報交換や交流をするソーシャルネットワーキング・サービス(SNS)という仕組みが人気です。これを限定された地域を舞台に、住民同士の絆づくりに役立てようと始まったのが地域SNS。私たちの縁には、地縁や血縁という離れられない繋がりと、これらとの関係を絶つ「無縁」があります。しかし、それらに続く第四の自由な縁「結縁(けちえん)」もあったといわれています。地域SNSは、しがらみを超えた結縁ネットワークを現代社会に蘇らせることで、より充足感の高い暮らしを支え合う地域社会の中で実現しようというものなのです。

 兵庫県では地域住民や自治体職員が協力して、地域SNS「ひょこむ」が06年10月開設され、半年で2,000人近い人たちが利用(07年3月)しています。信頼できる人たちの中で安心して交流を深めることができる環境は、互いの立場や環境を思いやりながら対話する雰囲気を創り出すだけでなく、実際に出会ったり集まったりして新たな関係を生み出しています。伝統的な日本の知恵が科学技術の手を借りて、今再び私たちの手元に戻りつつあるようです。

国土交通省揖保川流域委員会広報誌「揖保川ニュースレター」への出稿

【参照】
地域SNS『ひょこむ』 http://hyocom.jp/
岡田真美子編著、『地域をはぐくむネットワーク』(昭和堂,2005)

閲覧数2,576 カテゴリ地域SNS コメント5 投稿日時2014/03/14 06:48
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